尿の通り道「尿路」…尿路に結石が出来る病気「尿路結石」×××

Eleonora de' Medici.

2013年06月10日 13:16

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尿路結石

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尿路結石とは

尿は腎臓でつくられ、尿管を通って膀胱にたまり、尿道を経て体外に排出されます。

この尿の通り道を「尿路」といい、そこに結石ができる病気を「尿路結石」と いいます。

尿路結石は存在する場所によって腎結石、尿管結石、膀胱結石にわけられます(図1)。

日本人の場合、95%以上は腎臓または尿管に結石ができる上部尿路結石です。

日本人が生涯に尿路結石を経験する比率は100人に4-5人であり、非常に頻度の高い病気です。

また女性に比べ、2.5倍ほど男性に多く発生し、特に30歳−50歳の男性に多い病気です。

結石の成分には、シュウ酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム・アンモニウム(MAP)、尿酸、シスチンなどがありますが、単一の成分であることは少なく複数の成分からなる混合結石であることが多いです。

この内、80%以上がカルシウム含有石(X線で写る石)です。 図1:尿路と結石

ホームページ「尿路結石の基礎知識」より
(http://www11.plala.or.jp/gekai/kesseki/kesseki.htm)


尿路結石はなぜ、できるのか

尿路結石は、結石の構成成分が尿に溶けきらなくなり(飽和し)、結晶ができる(析出する)ために形成されます。

一般的に尿量が少ない状態(濃縮尿)や、尿路通過障害による尿の停滞があると結石ができやすくなります。

構成成分の尿中排泄量が増えた状態でも、結晶が析出しやすくなります。

また、尿のpHによって構成成分の溶けやすさ(溶解度)が変わります。

尿酸は酸性で溶けにくく、MAPはアルカリ性で溶けにくくなります。このように、結石ができる原因は結石の構成成分によって異なります。

カルシウム含有石は、副甲状腺機能亢進症、クッシング症候群などのカルシウム代謝異常をきたす疾患や、潰瘍性大腸炎、クローン病などの腸疾患(シュウ酸が吸収されやすくなる)に続発する場合があります。

また長期臥床では尿流停滞、骨吸収により結石ができやすくなります。

MAP結石は感染石とも いわれ、尿中の尿素がウレアーゼ産生菌により分解され尿がアルカリ化するために形成されます。

尿酸結石は痛風や、上述したように酸性尿が原因となります。

薬剤性の結石も存在します。

利尿剤であるアセタゾラミド(ダイアモックス)や、ステロイド、尿酸排泄促進薬(ユリノーム)、ビタミンDなどは結石の原因になります。

前立腺肥大症や神経因性膀胱などの排尿障害は膀胱結石の原因となります。

しかしながら、実際には理由がはっきりしない例も数多く存在します。


尿路結石の治療

腎結石では特に症状がないことも多いのですが、結石が腎臓から尿管に下降し尿管結石となると疝痛発作という激烈な痛みを生じます 。

疝痛発作は結石により尿の流れが妨げられために起こる痛みです。

この痛みは腰背部、側腹部、下腹部などに広がり、しばしば吐き気を伴います。

また、このような場合には血尿が出ることもあります。

結石が膀胱壁まで下降すると頻尿、残尿感といった膀胱炎様の症状があることもあります。

膀胱結石では排尿時痛、頻尿、血尿などの症状を認めます。


尿路結石の診断

検尿を行い血尿、膿尿の有無を確認します。

結石の場合、少なくとも顕微鏡的血尿があることが多いですが、結石があっても顕微鏡的血尿がない場合もあり注意が必要です。

超音波検査では結石は音響陰影(acoustic shadow)を伴った高輝度のエコーとして確認されます。

また水腎、水尿管(尿流が妨げられ、腎盂、尿管が拡張した状態)の確認にも有効です。

超音波検査により腎結石、膀胱結石は容易に診断できます。尿管結石でも、上部尿管または下部尿管にあり水尿管を伴っている場合は診断が可能なことがあります。

単純X線写真(KUB)では結石の位置、大きさが分かりますが、尿酸結石(結石の5%)のようにX線で写らない結石(X線陰性結石)やシスチン結石のようにX線で写りにくい結石もあります。

また静脈の中の血栓(血のかたまり)が石灰化したものをはじめとした腹部の石灰化病巣との鑑別が必要です。

このため排泄性腎盂造影(DIP)(尿が写るように造影剤を点滴注射してX線撮影をする検査)を行い、結石が尿路内にあることを確認します。

X線陰性結石では陰影欠損として結石を確認できる場合があります。

造影剤が使えない患者さんやX線陰性結石の例では逆行性腎盂造影(RP)(膀胱鏡を用いて尿管にカテーテルという細い管を挿入して行う検査)やCTが診断のため必要になることがあります。


尿路結石の治療

残念ながら一部の結石(尿酸結石、シスチン結石)を除いて、“結石を溶かす薬”はありません。

多くの場合は体外衝撃波結石破砕術 (ESWL)や内視鏡を用いた外科的治療が中心になります。

1.腎結石

サンゴ状結石(図2)や大きな腎結石(1〜2cm以上)は治療の対象になります。

治療法としては、ESWLや内視鏡を使った手術である経皮的腎砕石術(PNL)を行います。

非常に大きな腎結石をESWLで治療する場合は尿管にステントという管をあらかじめ挿入することもあります。

サンゴ状結石ではESWLとPNLを併用して治療することもあります。


2.尿管結石

小さな尿管結石(最大径 5mm以下)は自然に排出される可能性が高いため(表1)、痛みの緩和が可能であれば手術などせずに経過を観察します。

結石が大きな場合(最大径 8〜10mm以上)や小さくても自然排出しない場合は積極的な加療が必要になります。

治療法としては、ESWLや内視鏡を用いる経尿道的尿管結石砕石術(TUL)があります。

特に、尿管結石に水腎症と高熱を伴っている場合(膿腎症)では緊急に加療を行う必要がありますので泌尿器科医にご連絡ください。


3.膀胱結石

内視鏡を使って結石を砕石して取り出します。

大きな膀胱結石の場合では外科的手術(膀胱切石術)が行われます。

結石の大きさと自然排石率

結石の大きさ
(最大径) 自然排石率
1mm 87%
2mm 72%
3mm 83%
4mm 72%
5mm 60%
6mm 72%
7mm 47%
8mm 56%
9mm 33%
10mm以上 27%


体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

ESWLは体に傷をつけず尿路結石を治療できる手段で、体外からの衝撃波を体内の結石に集めることで、結石を破砕し、尿とともに排出させる方法です。

ESWLは当時の西ドイツで1972年より開発が開始され1980年に実際に臨床応用できるようになりました。

日本でも1984年に導入され、1985年より厚生省の認可を得ました。ESWLの登場は“切らずに治す”という革命的なものであり、結石の治療を大きく変えました。

従来行われていた結石に対する外科的治療は、今はほとんど行われていません。

ESWLは、現在の腎・尿管結石の治療の主流となっています。

ESWLには様々な機種があり、それぞれ特徴があります。

大きな違いは、結石の検索の方法としてX線を用いるか、超音波を用いるかという点と、衝撃波の発生方式です。

衝撃波の発生方式は

1.高電圧放電方式(スパークギャップ) 
2.ピエゾ方式 
3.電磁誘導方式…などがあります。


衝撃波発生装置

ドルニエ・リソトリプターDはX線を用いて結石の正確な位置を見つけます。結石の位置決めが容易で、X線の焦点と衝撃波の焦点のずれがなく確実に効率よく結石を破砕することができますので、治療時間を短縮できます。

また衝撃波発生装置の可動性が高く、患者さんが、あおむけになったまま治療することが可能です。

さらに電磁誘導方式ですので、安定した衝撃波を 多段階の強さで与える事ができ痛みに弱い患者さんにも対応できます。

その反面、そのままではX線陰性結石は発見することができませんので造影剤を必要とするという欠点があります。

治療の必要な患者さんのほとんどは、ESWLにより砕石が可能ですが、1)妊婦 2)乳幼児 3)出血傾向のある方 4)治療に協力ができない方(ESWLは固定焦点ですので治療中、安静を保てないと結石に衝撃波が当たらない)5)極度な肥満の方(焦点が届かない)などは対象外となっています。

ペースメーカーを装着されている方は、念のためペースメーカーの業者のサポートが必要です。


尿路結石の再発と予防

尿路結石は再発します。

1年以内の再発率は10%、5年以内では45%、10年以内では60%との報告もあります。

(Strohmaier, WL. et al. Eur Urol(2000) 37:339-344)

尿路結石の患者さんは再発の予防が必要です。

予防の方法は結石の成分により異なりますので、ご自分の結石の成分を知ることが重要です。

排出された結石があれば結石の成分分析を行うことが出来ますので、結石を排出された方は当院にご持参ください。

結石の成分によらず、一般的に、飲水することは結石の予防に効果があります。

一日、1.5〜2リットルの飲水に努めてください。

(ただし心機能、腎機能が悪い方は主治医の先生に相談してみてください。)

ビールは結石に良いとされてきましたが、ビールにはシュウ酸が多く含まれています。

また尿酸値を上げますので結石予防の観点からはあまりお勧めできません。

カルシウム含有石の場合は、以前はカルシウムの摂取を控えた方が良いと考えられていましたが、逆にカルシウム不足によりシュウ酸の吸収と尿中排泄が増し結石ができやすくなることが分かりました。

シュウ酸を多く含む食物(ほうれん草、たけのこ、オクラ、紅茶、コーヒーなど)を摂取するときはカルシウムを多目にとる必要があるでしょう。

たとえば、紅茶、コーヒーにはミルクをいれるようにするなど工夫しましょう。

過剰な塩分摂取は尿中のカルシウムを増やしますので、塩辛いものは避けた方が良いでしょう。

動物性たんぱく質や脂肪も尿中のカルシウム排泄を増やし尿酸値も上げてしまいます。

逆に、野菜、穀物、海草類は結石の予防に良いとされています。

尿路結石は生活習慣病と位置づける人もいます。

いずれにしてもバランスの良い食生活を送ってください。

当院では、結石の予防に関するパンフレットをご用意しております。

ご心配な方は、お気軽にご相談ください。